不動産を売却する時に行う測量の目的は、「面積の確定」と「境界の確定」のために行います。
面積は登記簿謄本を見れば確認できるので、売主と買主の両方が了解するならば、登記簿の面積通りで売買契約が可能です。境界も同様に、登記簿上で売買契約を締結することが可能です。
ですが、一部では測量が行われずに記載されているものもあるので、誤差が生じている場合もあります。このような場合があるので、不動産売却時に測量が必要になります。
なぜなら、登記簿謄本の面積が違っていたり境界が不確定だったりした場合に、後に境界の事で隣人とトラブルになる可能性があるからです。
ここで測量をしておけば、境界標や境界杭などの目印を設置できるので、トラブルを回避することができます。
CASE1
売却したい土地の境界線が明確ではない場合は、測量をする必要があります。 隣の土地との境界がはっきりしていないと、どこまでを自分の土地として売ってよいのかわかりません。 一度境界を調べている土地であっても、境界標が朽ちたり地震などの天災によって地形変動や境界標の劣化があると、境界線が分からなくなってしまいます。 勝手に境界線を決めて売ってしまうと、隣の土地の所有者とトラブルになる可能性があります。
CASE2
塀やフェンスは境界の目安にしやすいため、設置されていない場合は測量が必要になります。 以前は設置していたけど老朽化や破損して撤去した場合も測量を行ったほうが良いです。 境界を確定させておくと再設置や敷設ができるので、トラブルを防ぐことができます。
CASE3
土地の資産価値が高ければ高いほど、境界をはっきりさせるために測量が必要になります。 地価が高額な土地の場合は、1平方メートル違うだけでも数十万円以上の金額の差がでてしまうため、損をしてしまう可能性が出てきます。 このようなケースほど、測量をせず誤差が出たときにはトラブルに発展しやすいです。
CASE4
測量をしない場合は、登記簿の面積だけで売買契約を行うことになります。登記簿の面積と実際の面積に差がある場合は、測量したほうが良いとされています。
土地家屋調査士の依頼方法
・管轄の法務局に相談して土地家屋調査士の紹介を受ける
・不動産会社で紹介してもらう
書類は市役所・法務局にて取得できます。
測量見積もりの算出や、過去境界に関するトラブルがあったかの調査に使用します。
必要書類:□登記簿謄本/□公図/□地積測量/□建物図面/□共同担保目録
測量では隣りの土地に入ったり、隣接地の所有者に立ち合いをお願いする必要があります。
事前に隣接地の所有者や行政・市町村の担当者への挨拶と、測量をする旨を伝え、立ち合いの了承を得ておくと、スムーズに測量を行えます。日頃から隣接地の所有者と良好な関係を築いておくと良いでしょう。
測量は複数回に分けて行われることが多く、最初に「事前調査」という仮の調査を行います。
事前調査では、資料をもとに現地の測量を行い、仮のデータを作ります。これを基に本調査を行います。現況測量図はこの時点で作成されますが、この時点では隣接地の所有者の立ち合いは不要です。
関係者全員が立ち合い、境界を確定します。
仮の境界杭を設置して確認を行い、立ち合い人が納得したら境界確定の承諾書を受け取ります。
もしも関係者全員の承諾を受けられなければ、境界確定の承諾書を受け取ることができません。
境界が決定したら、「境界標」という杭を打ち込み、正式に区分けをします。
境界標を打ち込む時も隣接地の所有者に立ち合ってもらいます。
測量が終了して境界線が確定したら、境界確認書を作成して全課程は終了になります。
境界確認書に署名捺印をすれば、書類は完成です。