平均的な所要時間は全体を通して約2時間から2時間半です。そのうちの約1時間位は宅地建物取引士が行う『重要事項説明』になります。少し長丁場になるので覚悟して臨みましょう。
開始時間は参加者のスケジュールを調整して決めます。場所は、仲介を行う不動産会社の事務所が一般的です。
買主
不動産会社の担当者
宅地建物取引士
売主(同席する場合)
※実際には売主と買主が顔を合わせる事は少なく、契約の場に売主が同席しない事の方が多いです。
・本人確認書類
・実印
・印鑑証明書
・手付金
・印紙代
氏名、住所、顔写真付
発行から3ヶ月以内
現金または小切手
売買契約書に貼付
・本人確認書類
・実印
・印鑑証明書
・不動産登記済証
・物件状況報告書
・設備表
・マンションの管理規約
・固定資産税納税通知書
・印紙代
氏名、住所、顔写真付
発行から3ヶ月以内
2005年3月以降は登記識別情報
劣化状況、摩耗・損耗などを記載した物
住宅設備を記した書面
マンションの場合のみ
売買契約書に貼付
まずは売主と買主の顔合わせをします。内覧時に顔合わせをしていても、再度あいさつを交わします。不動産業者は売買契約締結前に買主に対して、重要事項の説明を行う義務があるため売主よりも早く来社してもらい、重要事項の説明を受けてもらいます。
(実際の現場では、売主が契約の場に同席することは少ないです。)
物件状況確認書と付帯設備の説明をします。説明は、宅地建物取引士の資格を持った者が行います。売買契約の場では、売主が知っている瑕疵や住宅設備などの故障を買主に教える義務があるため、どんな住宅設備を渡し物件状況がどうなっているかを買主に説明します。物件状況確認は、隣地との越境の有無、近隣の建築計画、過去の雨漏りなどを確認します。付帯設備の説明は、住居設備についての告知で、設備の有無・故障の有無・残置物等の確認をします。
売買契約書を読み合わせを行います。目的は内容に間違いがないかの確認です。重要事項の説明が終わり、契約書の内容に売主と買主の双方が納得をすれば、正式に契約締結をします。全ての書類に住所や氏名などの情報を記載し、捺印をします。このとき収入印紙を貼ります。
売買契約書に従い、買主から売主へ手付金を支払います。金額は売却金額の5%~10%が相場と言われていて、一般的に現金か小切手で取り交わします。手付金は契約成立の証拠となる金銭ですが、解約手付としての意味合いも持ちます。大きなお金になりますので、買主に向かってなかなか言いづらいですが、後々にトラブルにならないように、ここはしっかりと時間をかけて手付金を確認をしましょう。
仲介手数料の半金をこの時に不動産会社へ支払います。不動産業者へ支払う仲介手数料は、売買契約日と決済日に分けて支払うことになっていますが、現在の取引では、ほとんどが決済時に全額お支払いいただくことが多いです。事前に担当者に確認しておきましょう。
何らかの事情で本人が契約に立ち会えない場合は、代理人契約が可能です。その場合は以下の書類が必要です。
・委任状
(本人の自署と実印を押印)
・本人の印鑑証明書
・代理人の印鑑証明書と実印
・代理人の本人確認書類
不動産会社が公正な不動産取引をおこなうため、宅地建物取引業法により定められた国家資格です。『宅建士』と呼ばれています。不動産取引には宅建士にしかできない業務があり、不動産業者は一定の割合で有資格者を設置するよう義務づけられています。不動産取引における重要事項の説明や、重要事項説明書への記名・押印、契約書への記名・押印をする行為は宅建士の資格を持った者しか行う事ができません。
不動産登記済権利証(登記済証)とは、不動産登記が完了した際に登記所が登記名義人に交付する権利に関する登記済証のことです。現在発行は行っていませんが、2005年3月以前に交付された登記済権利証は今も有効です。
登記識別情報は、権利証の廃止に伴いそれに代わって発行されるようになった書類です。12桁のパスワードが記載されている登記識別情報が記されています。登記識別情報の発行は2005年3月から全国で順次開始していき、現在は全ての法務局で登記識別情報に変わっています。
※印紙代の負担は、民法で売主と買主の双方が平等に負担することとされています。
固定資産税の支払い義務者は1月1日時点での所有者です。よって納税自体は売主が納めますが、買主は引き渡し後の期間分の税金を日割りで売主に支払います。